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Fグループ電子工作講座

秋月電子SH7125ボードで始めるマイコン開発

TC78H653の挙動について

TC78H653を試してみました。
結論から言うと保護機能が頻繁に働くのでFA130をガンガン制御するには向いてなさそうです。
関連:TPC8407の下限電圧(DRV8835の過電流保護)

基本スペック

電源電圧:1.8~7.5V
DC ブラシ付きモータ出力電流定格:4.0 A (最大)@ラージモード時
DC ブラシ付きモータ出力電流定格(Peak): 5.0 A (最大)@10 ms 以下、ラージモード時
パット見た感じだとDRV8835のラージモード(並列接続)に似ています。

扱い方の違いとしては
DRV8835:
ラージモード時は
・AIN1-BIN1、AIN2-BIN2を連結して信号を入れる
・AOUT1-BOUT1、AOUT2-BOUT2を連結してモーターを繋ぐ
PASE/ENABLEモード時は信号無しで回生ブレーキがかかる

に対して

TC78H653:
ラージモード時は
・LARGEをHiにしてAIN1、AIN2へ信号を入れる
・AOUT1/AOUT2、BOUT1/BOUT2を連結してモーターを繋ぐ
PASE/ENABLEモード時は信号無しで回生ブレーキがかからない
STBY信号がある

といった感じです。

問題の保護機能について

DRV8835では制限電流に達すると1ms間出力を停止した後自動復帰していましたが、
TC78H653では制限電流に達すると出力を停止してそのままスリープします。

FA130の始動電流(ストール電流)が4Aなので片方向に回転させるだけなら問題は出なさ
そうですが、正転から一気に逆転させると保護回路が作動してモーターが停止します。
以前の調査で正逆を繰り返すと始動電流の1.5倍ぐらい電流が流れるので、これが問題
ではないかと思っています。

更に、スペックシートを見てみるとモーター電源VMに応じて過電流保護の電流が違う
らしく、ラージモード3Vだと3.5Aぐらいで保護が働くみたいです。

TC78H653は一度スリープモードに入るとAIN1、AIN2を操作してもスリープは解除され
ません。STBY信号を一端LowにしてからHiにしなおすと解除されて動くようになります。

スリープを継続させずに動かそうと思うと、AIN1/AIN2へは正転逆転信号をそれぞれ入力
し、STBYへPWMを入力すれば保護が働いても毎回リセットがかかってくれそうですが、
これだと常時回生ができません。

DRV8835ボードが値上がりしてたり在庫が少なかったりするのに対して、TC78H653ボード
は半分以下の価格で購入できるのでありがたいのですが、FA130を常時回生で制御したい
場合には相変わらず並列用に設計されているDRV8835ボードを使用するのが良さそうです。


その他:TB67H450を試した結果

動作範囲が4.5~44Vとなっていますが、こちらも電流制限のためか4.5VではFA130を始動
することができません。4.5Vだと手で勢いを付ければ回り始めます。
仕様書では電圧監視は3.8Vとなっています。
TB67H450はリチウム1セルや単3×2等低電圧での運用はできません。
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