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Fグループ電子工作講座

秋月電子SH7125ボードで始めるマイコン開発

TPC8407の下限電圧

TPC8407とリチウムバッテリーの組み合わせでハイパーダッシュモーターを駆動する事ができたのですがデータシートのゲート電圧を見ると不安が残ります。そこで、ゲート電圧がどのくらいならハイパーダッシュモーターを動かしても良いか調べました。
また、ハイパーダッシュモーターと組み合わせると不審な動きをするDRV8835についても挙動を確認しました。

始動特性リベンジと同様に
・大電流確保のため電源はスーパーキャパシタ25Fを2並列2直列(19A×2)
光学式エンコーダを付けたシングルギヤボックスを使用
・パルス値をRL78で計測し10msごとにパルスの差分をシリアル通信で出力
・5回分のデータを最小二乗法にて一時遅れ系近似 y=(1-exp(-x/b))*a
とします。
スーパーキャパシタはテスターで電圧を測りながら
 2.7V、3.0V、3.3V、3.7V、4.0V
の5パターンで充電します。

ハイパーダッシュモーターを
・直結で動かした場合
・TPC8407で動かした場合
・DRV8835で動かした場合
で確認します。

まずは速度波形


TPC8407は2.7Vで駆動した場合極端に加速が遅くなりました。また、直結した時の定常速度まで上がりませんでした。3.0VではTPC8407よりDRV8835の方が加速特性が良いようです。DRV8835は3.7V以上だと変な加速をします。また、電圧を上げるほど加速が遅くなりました。

つづいて電流波形

直結した場合


最大電流は
2.7V:10A
3.0V:13A
3.3V:14A
3.7V:15A
4.0V:18A
といった感じです。

TPC8407を使用した場合


2.7Vでは0.5Aで電流制限がかかっています。加速が極端に遅くなったのはこのためしょう。
最大電流は
2.7V:0.5A
3.0V:3A
3.3V:6A
3.7V:8A
4.0V:12A
となりました。
カタログスペックだともう少し頑張ってくれそうだったのですが、3.3V未満で使うのはあまりよろしくありません。
なお、プラズマダッシュで4.0Vだとハイパーダッシュとおなじく12A程度の制限がかかります。

DRV8835を使用した場合


3.3V以上だとおかしな波形になります。
ギザギザ部分を拡大するとこうなっています。

6A近くまで流れた出力停止→1ms経過で復帰→6A近くまで流れた出力停止 を繰り返しています。
データシートを見るとOvercurrentprotectionretrytime 1msとあるのでこの事だと思います。
電流保護トリップレベが1.6~3.5Aとなっており並列なので5~6A付近で出力が停止している様です。

まとめ

TPC8407は3.0V付近だと3A程度の制限がかかります。普通の乾電池を使う場合は3.0V以下になる可能性があるのでTPC8407を使うのはやめた方が良さそうです。リチウムバッテリー等で3.3V以上を維持できるのであればTPC8407を使う事ができます。
8835は5A以上の状態が連続すると強い電流制限がかかります。負荷状態にもよりますが、5Aが連続しない場合に使えます。
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