前回はRX230のビルドとE1による書込みを行いました。
「E1なんて高い物買えねぇよ」とか「E1用コネクタ邪魔だよ」って人向けにシリアル書込みの方法を説明します。
関連:
RL78へシリアル書込みRXのシリアル書込みについて
どうやらRFPにて書込み可能なマイコンのほとんどがシリアル書込みに対応している様です。
「Renesas Flash Programmer V3 対応マイコン一覧」にてググれば一覧表が出てきます。
シリアルの部分に表記があれば何かしらの方法でシリアル書き込み可能です。
Rev.14.00ではリストにあるマイコンすべてがシリアル書込み対応扱いになっています。
RX230のシリアル書込み
RX230系等同じCPUでもピン数違い等で詳細な型番が異なります。
今回試すRX230は「R5F52306」です
一覧によるとシリアル(TypeC)にて書き込みができます
※RX系はすべてTypeCの様です。
ここで気になるのがTypeBとTypeCの違いです。
これは書込みに使用する回路の違いに相当します
必要な回路の概要は「PCのシリアルポートを使用した書き込み回路例」にてググれば出てきます。
タイプCはスイッチとプルアップ抵抗しか出てこないシンプルな回路です。
PCとの接続はTxD、RxDをPCのみとなっています。(もちろんGNDも接続してください)
参考回路ではマイコン側はMD0を電源、MD1をGNDに接続する様になっています。
このMD0とMD1の接続はあくまで参考例で、
実際の接続は各CPUのハードウェアマニュアルを見てください。
ではハードウェアマニュアルを見ます。
ハードウェアマニュアル内の「ブート」が書込みに相当します。
RX230ではブートモード(SCI インタフェース)がシリアル書き込みの項目です
ハードウェアマニュアル「
表3.1 モード設定端子による動作モードの選択」によれば
MD:Low、UB:Lowにてブートモード(SCIインタフェース)設定になります。
また、UBの状態関係なしに
MD:Highにてシングルチップモード(実行モード)
になります。
もう少し続きます。
3.3.4.2 ブートモード(SCI インタフェース)によれば
MD 端子をLow、UB 端子をLow またはオープンにして
リセットを解除すると、
ブートモード(SCI インタフェース)で起動します。
ブートモード(SCI インタフェース)については、「49.8.2 ブートモード
(SCI インタフェース)」を参照してください。
との事です。
49.8.2 ブートモード(SCI インタフェース)の
「
表49.10 ブートモード(SCIインタフェース)時に使用する端子の処理内容」によると
電源系以外に
MD 動作モードコントロール入力Lowを入力してください
PC7/UB 動作モードコントロール入力Lowを入力してください (注1)
RES# リセット入力入力リセット端子です。リセット回路と接続してください
P30/RXD1 データ入力RXD 入力シリアルデータの入力端子です
P26/TXD1 データ出力TXD 出力シリアルデータの出力端子です
が必要との事です。これで接続が判明しました。
配線
PCとの接続には今回「
超小型USBシリアル変換モジュール」を使用します。
電源もUSBから供給します。
マイコンへ別途電源を接続する場合は
ベースボードからの卒業にて使用した
3V・3.3V・5V系-RS232レベル変換基板でも構いません。
配線色を
XBeeの配線およびベースボードからの卒業に合わせると以下の様になります。
これを以下の様に接続します。
これでシリアル通信環境ができました。
続いてモード切替回路を作成します。
RX230CPUボードの回路図によればMD,UB/PC7共にプルアップされています。
これを両方GNDへ接続します。
黒:GND
白:MD
青:UB
UB/PC7は秋月RX220 CPUボード上にあった操作しない方のスイッチに相当します。
私の使い方だとUB/PC7はGNDへ接続しっぱなしでも構わないと思います。
もう少し
秋月RX220では外付け回路でパワーオンリセットを行っていましたが、ビーリバーRX230CPUボードはCPU内蔵のパワーオンリセット機能を行っています。
ブートモード時は内蔵パワーオンリセットが機能しないらしく、手動でリセットをかける必要があります。
リセットの線を追加します。
黄:RES#
リセットの線はGNDに接続するとリセット状態、開放するとリセット解除されます。
これで準備が整いました。
書込み
RES#をGNDに接続した状態で変換モジュールのUSBをPCへ接続します。
RFPを起動
ファイル > 新しいプロジェクトを作成
マイクロコントローラ:
RX220プロジェクト名:rx230writer_sci(任意)
作成場所:どこか指定してください
通信:
COMツール詳細:
該当するCOMポート↓
RES#を開放(配線を外す)
↓
接続
エラーが出なければ接続成功
書込むプログラムを選択
↓
もう一回ボードをリセット(RES#をGNDに接続して開放)
↓
スタート
書込みできれば成功