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Fグループ電子工作講座

秋月電子SH7125ボードで始めるマイコン開発

つくばチャレンジ初参加に向けて②安全チェック

安全チェック合格に向けた内容など
主に「危険な突起部」に何が該当するのかの説明
関連:つくばチャレンジ関連記事一覧

仕様条件等
ロボットの仕様条件(2024)
配布書類・各種様式 > 実機実験に伴う提出書類 > 安全チェックシート

審査員による安全チェックは安全チェックシートの項目に沿って確認が行われます。
仕様条件とあわせて安全チェックシートの内容を確認しましょう。

なお、細かい説明はありませんが、安全チェックは駐車場ゲート近くに設置される
テントで行われます。

車両設計概要

ロボットコンテストなどと同様に指定された
 全長:1.2 m 以下
 全幅:0.75 m 以下
 全高:0.6 m 以上、1.8 m 以下
 重量:125 kg 以下
 最高速度:6 km/h 以下
を満たすように設計してください。

屋外で全く手を触れずに自律走行させ続けることになり、暴走した際に走って
追いつけない速度だと対応できなくなります。逆に遅すぎると実験や移動が
めんどくさくなったり、信号が渡り切れなくなったりします。
まずは2~4km/h(0.5~1m/s)ぐらいで設計・選定するのが良いでしょう。
コンピュータやセンサーを多数搭載していくので積載重量が必要になります。
最終的にはラズパイなどで動かすつもりであっても初期段階ではノートPCで動かす
ことになるはずです。また、ノートPCをそのまま搭載して使用するチームもかなり
多く、長時間の実験のためにポータブル電源を搭載することもあるようです。
センサーや演算装置を決めてから車両設計をすることの方が多いかもしれません。

非常停止

人や物にぶつかりそうになった時や車道に出そうになった時に強制的に動作を停止させる
非常停止スイッチの搭載が義務付けられています。
・どの方向からでも視認や押下できるようにロボット本体に複数の非常停止スイッチを設ける
 ※ただし、視認性やアクセス性が十分保たれていれば1つでもよい
・黄色の土台に取り付けた赤色の押しボタン
・主電源スイッチとは別に設ける
・非常停止スイッチが押下されたら、速やかに減速し安全な姿勢で走行を停止する
市販の非常停止スイッチを購入して使用することになると思います。モータードライバーに
非常停止スイッチの接続ポートがある場合はこれを利用しましょう。自分で電源を管理する
場合は非常停止スイッチでは接点容量が足りない可能性があるので、場合に応じてリレーや
FETを駆動する必要があります。
当たり前のことですが
搭載したすべての非常停止スイッチが機能すること
過去には押しても停止しない非常停止スイッチを搭載したチームもあった様です。
安全チェックの際に全ての非常停止スイッチが機能するか審査員による動作確認が行われます
明記はされていませんがプッシュライトの様に押すたびにON-OFFが切り替わるタイプ
非常停止スイッチとして認められない可能性があります。

非常停止状態では自重で坂道を降りて行かない設計にする必要があります。
自重が軽く手で押さえて止められるのであれば規定上問題ありません。
自重が重く手で支えられない場合はブレーキ等が必要になります。
横断歩道で非常停止をかけた場合、その後速やかに移動する必要があるため簡単に解除
でき手動操縦に移行できるようにしておきましょう。
坂道等で非常停止した場合にチームとしてどの様に対応するのかも審査員に回答する必要があります。

ナンバープレート

規定サイズのナンバープレートを2~4枚搭載する必要があります。
配布書類・各種様式 > 各種フォーマット > ロボットナンバープレート
紙に印刷して使用することになると思います。
ナンバープレートには車検の合格や確認走行クリアなどのシールが貼られていきます。
雨天でも実験することになるのでラミネートなど防水加工をしておきましょう。
印刷設定が間違っていると規定サイズにならないことがあります。印刷後は規定サイズ
になっているかサイズを確認しましょう。

状態表示

人が操作しているのか自動で動いているのかが運営や他チーム等から分かるように
色と文字で表示する必要があります。自律/操縦を裏表に印刷したものをラミネート
して使うのが簡単でしょう。
状態表示は簡単に変更できる方が良いとの指摘もありました。

その他確認項目(抜粋)

・自律走行時に歩行者の近くや狭い道では安全な走行速度や距離をとること
・高温あるいは感電の恐れのある露出部を有しないこと
・周囲の人に危険を及ぼす動作をしないこと(暴走・勢いよく倒れるなど)
 → 重心の高いロボットは要注意

その他の指摘事項

・制御装置(基板、ノート)に雨が掛かっても壊れない対策をする
・配線をひっかけて壊さないように配線はフレームなどに固定しておく
・見えやすい場所にスイッチがあると子供が押してしまう
 → 特に主電源は目立たない場所に付けた方が良い


危険な突起部(危険のない外装)

車検の際にチェックされる
危険な突起部を有しない形状であること
人の手や足などを巻き込む恐れのない構造であること
について。
正確な条件が明記されていないのでどこまで対応すべきかかなり悩みます。
また、安全チェックを対応する審査員によっても指摘される内容が変わります。

おおよその基準として
・つまずいた人が手を着いても怪我をしないこと
・動いているときに子供が手を突っ込んでも怪我しないこと
となっている様です。
躊躇なく手のひらで叩ける状態であれば良さそうです。
金属やプラスチックの様な硬い材質の場合、全ての角が面取り角45度より緩いことが
判断基準となることが多いと思います。
クッション材等で覆ってあるのがベストでしょう。

×× 論外
細い棒が飛び出ている
切りっぱなしの板がある
むき出しの歯車や駆動用チェーンがある


×
45度面取りの板がある
直方体の角がある
タイヤ等回転物に触れる(指が巻き込まれる)場所がある





Rの小さな角の薄板がある




全ての角が45度面取りより緩い
回転部がカバーされている




柔らかい素材でおおわれている


薄板は角を丸めて保護材を付け、3Dプリンタで部品設計をする場合は全ての角を
45度で大きめに面取りしておくと良さそうです。



その他ロボットに求められる機械・電気的な仕様など

まず安全チェックを通すことを目指しましたが、屋外実験を実施するにあたりその他
対応しておく必要がある内容がいくつかあります。

雨対策

屋外実験で雨の日もあり、雷や嵐でなければ実験が行われるため雨対策が必要です。
安全チェックの際に明確なNGとされることでは無いようですが、火災や暴走を防ぐ
ために動力系の電源保護については必須となります。
晴れ予報でも小雨が降ってくることはよくあり、拠点から離れた場所で雨に降られて
しまうと何も対策をしていない場合はロボットが壊れてしまします。
朝から雨が降っている場合は自チームの判断で実験をキャンセルしても良いと思い
ますが、小雨程度では実験を続行でき少なくとも拠点に戻れる程度には対策が必要
です。
人の手助け無くロボットを動かすことが目的なので、本走行では人がロボットに
傘を差してしまうと失格になるようです。

振動対策

整地されているとはいえ屋外なので2cmぐらいの段差はあります。
また、アスファルトやブロックの上を走行するので硬いタイヤだとかなり振動が
発生します。1試合数分で終わるロボコンに対してつくばチャレンジでは1時間近く
連続で走行することになり、ネジゆるみ等も多発します。本走行中に振動でロボット
が停止した等の実例もあるので屋外走行と簡単な段差乗り越えは事前に試しておきましょう。
サスペンションや柔らかいタイヤで振動吸収する場合、ロボットの背が高いと重心
移動でふらつく可能性があるのでこちらも注意が必要です。
センサーなどでmicroUSB接続する機器がありますが、振動等で接触不良が発生する
ことが多々あります。動作を継続させるためには断線時に一部機能を再起動させる
等の対策も必要になってきますがmicroUSBを使用しない機器を選定するか物理的な
対策をした方が良いでしょう。

航続距離

基本的には走行を開始したら2kmを走り続けることになります。バッテリー交換も
認められていますが基本的にはバッテリー交換なしで走り続けられるように設計
することになると思います。また、4時間以上実験し続けるのでノートPC内蔵の
バッテリーでは足りなくなります。センサー類も大きな電力が必要になるものが
あります。
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