久々に愚痴
技術を使いこなすには
「概念」「使い道」「使い方」
を理解する必要があります。
この中で最も重要なのは「概念」と「使い道」です。
ところが、授業で習うのは「使い方」や「作り方」がほとんどです。
しかし、「使い道」を知らないで「使い方」や「作り方」だけ知っていても意味が無いのです。
例えばトランジスタの話。
授業でまず習うのは電子がどうたら、空乏層がどうたらといった内容です。
だから何だって話です。
正直、トランジスタを使ってマイコンの周辺回路を設計をする際にトランジスタ内の電子の動きなんて考えません。
まず知るべきは概念と使い道です。
トランジスタとは
概念:どの様な機能を持ったものか
・電気信号で操作可能なスイッチの様なもの
・微弱な電気信号で大電流を制御する
・電圧の異なる機器同士を接続することができる
使い道:何に使うのか(マイコン関連)
・マイコンでモーター等を制御する際にモーターの電源をON/OFFするスイッチになる
・マイコンですら扱えないような微弱なセンサー信号をマイコンで扱えるレベルまで補強する
・12Vで動作する装置と5Vで動くマイコンを接続する
等を知らなければ使い始める事ができません。
使いたいと思ってから使い方を覚えれば良いのです。
何に使うのかすらわからない技術の使い方だけを時間をかけて覚えてもすぐに忘れてしまいます。
目的と手段
研究・開発の分野でも「使い方」ばかりを追い求めて「使い道」を忘れてしまう例が多々見られます。この場合、当初の「目的」を忘れて最初に手を付けた「手段」を使う事ばかり気にかけてしまいます。
新しい事に手を出すのが怖くて、あるいは自分が今まで行ったことを無駄にしたくないがために一つの手段から離れられなくなります。一つの手段に捕らわれてその手段を無理に使おうとすると他の部分にしわ寄せが来て、最終的には全体的な使い勝手が失われます。
最終的に出来上がったモノを使う人にとっては、作る人が未熟だったとか苦労したとか、作る側の都合なんてどうでもいい話で、それを理由に品質を下げる事はできません。
作る側の都合により目的やコンセプトを見失ってはいけません。
類似の技術は無いか、もっと合理的な手段は無いか考え、新技術については事前テストを行った上で使用する手段を決めてから本格的な制作に入る必要があります。