RL78G10のマニュアルでは書き込み可能な電圧範囲は4.5V~5.5Vとなっています。
しかし、実際に試してみると3.3V給電でも書込みやオンチップデバッグは可能です。
ただし、色々と制限が発生します。
ダウンロードに失敗しました。
エミュレーションCPUから応答がありません。
ダウンロードに失敗しました。
電圧が低すぎてフラッシュ書込みができません。
に遭遇します。
3.3V系で扱う際に課題となるこの2つのエラーについて解説します。
主な原因
エミュレーションCPUから応答がありません。
原因1:配線を間違っている
何か配線が繋がっていない、RESETとTOOL0を逆に接続している等。
対策:正しく配線する
原因2:フラッシュROMの消去が必要な時にフラッシュROMを消去していない
コード生成を利用しないプログラムを書込み済みCPUへ
コード生成を利用したプログラムを書き込む場合等。
対策:書込み時にフラッシュROMの消去機能を使用する。
原因3:
パワーオンリセットの電圧設定より供給電圧が低い(主にRL78G10)
パワーオンリセット電圧が3.3V以上に設定されたプログラムを書込み済みCPUへ
3.3Vで書き込もうとした場合。
対策:リセット電圧を確認して、供給電圧を合わせる。
電圧が低すぎてフラッシュ書込みができません。
原因:3.3Vで
フラッシュROMの消去を行おうとしている(主にRL78G10)
配線間違いは素直に直すとして、3.3V系で注意が必要なのは
・パワーオンリセット電圧
・フラッシュROMの消去
の2点です。
パワーオンリセット電圧
RL78の開発環境で少し触れていますが、RL78G10(秋月のRL78CPUボード)を使う場合、
コード生成を行わなければパワーオンリセット電圧は3.3V以下に設定されているのです
が、コード生成を行うとパワーオンリセット電圧が
4.2Vに変更されるので3.3Vでは何も
できなくなります。
4.2V設定のプログラムが書き込んである状態で3.3V書込みを実行するとリセットエラー
になります。
とりあえずパワーオンリセット電圧は3.3V以下に設定しておきます。
パワーオンリセット電圧4.2V設定が書き込んである場合は次回書込み時は5V供給で
書込みを実行する必要があります。
フラッシュROMの消去
プログラムを書き込む際、小規模な変更のみであれば書き込むだけで良いみたいですが、
大規模な変更を行う場合はフラッシュROMを一度消去する必要があります。ところが、
RL78G10は3.3Vでは消去することができません。
フラッシュROM消去の条件はソフトとハードで制限されています。
RL78G10+3.3V系環境で試してみた結果
・
CS+で書込みを行う際は電源電圧が監視され
4.5V以上ないと消去を実行できない
・CPUの動作としては
3.4V以上なら消去もできる
という制限がかかっている様です。
更に色々組み合わせてみると
・
E1から
3.3Vを供給すると実際には
3.5Vぐらいが供給される・
Renesas Flash Programmer+
E1なら
3.4V以上供給&
電圧監視しないので消去もできる
・外部電源等で
キッチリ3.3Vを供給すると消去できないので
RFPでは書き込めない
となっている様です。
まとめ
RL78G10は
パワーオンリセット関連・コード生成を使うとパワーオンリセット電圧が4.2Vに設定される(変更可)
・パワーオンリセット電圧4.2Vを書込み済みの場合は書込み時に5Vを供給する必要がある
ROM消去関連・CS+を使う場合、3.3Vで書込みができる
・CS+を使う場合、4.5V以上ないとフラッシュROMの消去ができない
・RFPを使う場合、3.4V以上あれば書込みも消去もできる。
・RFPを使う場合、3.4V未満なら書込みも消去もできない。
・E1からは3.3V供給設定で3.5V程度が供給される
「電圧が低すぎてフラッシュ書込みができません」で困ったらRFPを試してみてください。