一番上から一番下まで位置エネルギーは重心位置の変化により U = 2 m g Lg 回転運動エネルギーは-90度の点で最大になり T = 1/2 I ω2 位置エネルギーが運動エネルギーに変換されるので U = T = 2 m g Lg = 1/2 I ω2 慣性モーメントIについて整理すると I = 4 m g Lg / ω2 ここに転倒角速度960[deg/s]=16.76[rad/s]を代入すると I = 4 * 0.232 * 9.806 * 0.055 / 16.762 = 0.00178[kg m2] と出ました。 転倒角速度1000[deg/s]=17.45[rad/s]だとすると I = 4 * 0.232 * 9.806 * 0.055 / 17.452 = 0.00165[kg m2] となり、8%ぐらい計算値が違います。
これに対して質点で考えると I = 1/2 m r2 =0.232 * 0.0552 = 0.0003509[kg m2] 5倍ぐらい違いますが果たして・・・
角度θを真上からの変化角度として、重心の高さを角度の関数で書くと h = Lg cos(θ) となります。
真上のとき θ = 0、真下の時 θ = 180[deg] = π[rad] となり、 高さは真上 Lg cos(0) から真下 Lg cos(π) = -1 へ変化するので、 位置エネルギーの変化量は U = m g Lg cos(0) - m g Lg cos(π) = 2 m g Lg ということで前項の式が出てきます。
真上は0として、変化後の角度をそのままθとするので位置エネルギーは U = m g Lg cos(0) - m g Lg cos(θ) = m g Lg (1 - cos(θ)) となります。 さて、今回は真上付近の特性なので、(1 - cos(θ))を線型近似することができます。 (1 - cos(θ)) ≒ 1/2 θ2 との事なので、まずはどれぐらいの範囲まで近似して良さそうか確認します。 0.5[rad]辺りまでならなんとか使えそうです。 具体的には30[deg]=0.52[rad]で誤差2%程度です。 ということで30度を限度として(1 - cos(θ)) ≒ 1/2 θ2と線形近似します。
位置エネルギーと運動エネルギーのつり合いから U = T = 1/2 m g Lg θ2 = 1/2 I ω2 これを慣性モーメントIについて整理すると I = m g Lg (θ/ω)2 と何やらそれっぽい値が出てきました。 これを使って慣性モーメントを求めてみると I = m g Lg (θ/ω)2 = 0.232 * 9.806 * 0.055 / 102 = 0.001251[kg m2] と出ました。 おそらくこちらの方がより正確な値です。