マイコンとLEDを接続する(電流制限抵抗)
まず、なぜマイコンとLEDを直結してはいけないのか。LEDは微小な電力でも動くように設計されています。いい感じの電流を流してやればいい感じに光ります。大電流を流すと壊れてしまいます。要はいい感じに電流を流せば良いのです。小中学校で習ったと思いますが、小さな電圧をかけると小さな電流が流れ、大きな電圧をかけると大きな電流が流れます(オームの法則)。LEDの端子にベストな電圧をかければベストな電流が流れ、ベストな光り方をします。マイコンとLEDを直結した場合、ベストな電圧に対してマイコンの電圧が高すぎるため大きすぎる電流が流れてLEDが壊れてしまいます。LEDが壊れて電流が流れなくなればまだ良いのですが、場合によっては壊れた事で大電流を流す導線の様になってしまう事があります。マイコン(+) → LED → (ー)であったものがマイコン(+) → (ー)に変わります。こうなるとマイコンの端子に大電流が流れてマイコンが壊れてしまいます。ではベストな電圧とは何ボルトなのか、これはLEDごとに異なります。秋月の3mm赤LEDをベースに見てみます。http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-02082/順方向電圧(順電圧)VFがこのベストな電圧に相当します。この電圧より低い電圧をかけてもLEDは光りません。この電圧より僅かに大きい電圧をかけるといい感じに電流が流れていい感じに光ります。問題はこの僅かに大きい電圧で、せいぜい数十mV(1/100V)です。さらに問題なのはLEDのVFのばらつき(個体差)で、同じ種類のLEDでも数百mV単位で違ったりします。同じ種類のLEDに全く同じ電圧をかけても、あるLEDは光らない、あるLEDは電流が流れすぎて壊れるという結果になります。LEDごとに適正な電圧を用意するなんて事は現実的ではありません。ではどうしたら良いのか。LEDの光り方はLEDに流れる電流に依存します。LEDがいい感じに光るように電流を調整すれば良いのです。ここで登場するのが電流制限抵抗です。「電流制限抵抗」という製品ではなく抵抗を電流制限抵抗として使うという意味です。物としては購入リストにあげた1/4Wのカーボン抵抗です。リストにある9種類の中のいい感じのやつを使うことになります。9種類の抵抗を片っ端から突っ込んでみるのはやめましょう。ちゃんとした選定方法があります。
電流制限抵抗の選定
電源(マイコン)、LED、抵抗を接続した回路が以下となります。 電源は同じでも抵抗の大小によってLEDに流れる電流が変化することは分かると思います。LEDの両端にかかる電圧が先ほど説明した順方向電圧VFです。これに対して抵抗の両端にかかる電圧をVRとしておきます。また、抵抗値をRとします。電源電圧5Vに対してVFが1.7Vだとすると引き算してVRは3.3Vです。LEDに流したい、いい感じの電流をIFとします。これはLEDの種類ごとに異なります。標準電流というのがこのいい感じの電流です。データシートのForward Current(IF)が標準電流です。この電流を超えないように抵抗値を設定します。とりあえず
20mA(20×10
-3A→0.02A)としまう。
電流の流れ方の規則(キルヒホッフ)からLEDと抵抗には同じ大きさの電流が流れます。
更にオームの法則から
抵抗値Rと
電流値IFを掛けた物が
電圧VRとなります。
と言うより、
電圧VRを
電流IFで割った値が
抵抗値Rです。
VR/
IF=3.3/0.02=165
となり165Ωを接続すれば20mA流れることになります。
個体差により
VFが2.8Vだったとします。
VRは2.2Vとなります。
オームの法則から電圧を抵抗値で割ると抵抗に流れる電流を計算できます。
このとき抵抗に流れる電流は
VR/
R=0.0133→(13mA)
と求まります。
13mAも流れていれば十分です。
さて、165Ωの抵抗ですが、今回購入したリストにはありません。
というか、こんな
微妙な値の抵抗は生産されていません。(あったとしても無茶苦茶高いはず)
要はこの抵抗値より大きな抵抗を選定しておけば、LEDが壊れないという
目安です。
性能限界近くまで出力を大きくしたい場合は
大きくなるべく近い抵抗値(170Ω)をえらぶ必要がありますが、このクラスのLEDの場合は限界性能を求めても意味が無いでしょう。
とりあえず
165Ωより大きい200Ωを使っておけば十分です。
むしろマイコン端子から出力されている事を確認することが目的であれば1mA程度でも問題がないので
1kΩ(1000Ω)でも十分役割を果たします。
1. ありがとうございます
ありがとうございます。