フォトトランジスタとフォトリフレクタの取り扱いを学びます。
NJL7502LLBR-127HLD(半田付けに自信のある人は
TPR-105でも良いでしょう)
フォトトランジスタ
<概要>
フォト(光)トランジスタは光に反応するトランジスタ(電子スイッチ)で、センサーとして使います。
見た目LEDそっくりですが、
光りません。
光を当てると足の長い方から短い方に電流が流せるようになります。
※発電はしません光の強さで流せる電量が変わります。NJL7502Lは最大で10mA程度流れます。
LEDを光らせるぐらいの電流なので
モーターを直接駆動することはできません。
<とりあえず使ってみる>
・部品の準備フォトトランジスタ NJL7502L抵抗(LED電流制限用)1kΩ
抵抗(プルダウン用用)47k、100kΩ
LED
ブレッドボード(電源配線付き)
5V電源
懐中電灯、卓上ライト
あればレーザーポインター
・配線する5V→フォトトランジスタ→抵抗→LED→GND
・使ってみる電源を接続してフォトトランジスタにライトを当てるとLEDが光ります。
ライトの強さによってLEDが光る強さが変わります。
ライトの代わりにレーザーを当てるとスパイ系・泥棒系の映画に出てくるレーザーセンサーみたいなことができます。
・マイコンにつないでみる回路をそのままマイコンにつないでみます。
使用するプログラムは
PWM機能を試した回のADとPWMを組み合わせたもの。
マイコンボードの電源は
SH7125でモーターを回してみる回で使用した配線を使って供給しています。
センサの接続先はPF0。念のためGNDも共通化してあります。
光の強さに合わせてマイコンボードのLEDの光り方が変わるのがわかると思います。
ブレッドボードの確認用LEDを外し、センサの感度を上げます。
接続を以下の様に変更します。
これでマイコン側の反応が強くなったはずです。
プルダウン抵抗値を100kΩにすると反応がさらに強くなったはずです。
・余談スパイ映画で出てくる
光遮断式のセンサーの事を
赤外線センサーと呼んでしまう事があります。
どうも
レーザー光=赤外線と思われている事が多いようです。
映画のように赤い光が
肉眼で見えていたら赤外線ではありません。
可視光のレーザーです。
また、赤外線ゴーグルをつけると空中にレーザーの軌跡が見える様な演出があります。
赤外線が見える様になっても
空中のレーザー光は見えません。レーザーポインターの軌跡が見えないのと同じです。煙とか粉塵とか発生させておけば、煙とかにレーザーが当たって見える様になるはずです。
お風呂を沸かしておいて、電気を消して湯気をレーザーで照らすとテンション上がります。
※レーザーは特定の波長の光のみが出るように作られているので、一般的なレーザーポインターには赤外線は含まれていません。
フォトリフレクタ
フォトトランジスタとLEDをセットにしたセンサーです。
LEDで光(
フォト)を出し、センサーの前に物があると反射(
リフレクト)してフォトトランジスタが反応します。
検出したい物に触れずに有り無しが判別でき、コピー機で紙が送られてきたか検出するためにも使用されています。
今回使うフォトリフレクタはそのまんまLEDとフォトトランジスタが見えます。
白い側がLEDで黒い側がフォトトランジスタです。
一般的にフォトリフレクタが反応するのは
赤外線のみで
可視光には反応しません。
赤外線と言ってもサーモグラフィーのような熱源(遠赤外線)ではなく、人間の目でギリギリ見えない様な近赤外線です。
テレビのリモコンとかの赤外線です。
<とりあえず使ってみる>
・部品の準備リフレクタ LBR-127HLD
抵抗(赤外線LED電流制限用)100Ω
抵抗(確認用LED電流制限用)1kΩ
抵抗(プルダウン用用)47kΩ
LED
ブレッドボード(電源配線付き)
5V電源
・配線するまず発光側を配線します。
足の長い側がプラス、足の短い側がマイナスです。
電流制限抵抗として200Ωを使用します。
携帯のカメラを使えば赤外線LEDが発光していることを確認できます。
iPhoneのリアカメラでは発光しているのは分からないそうです。
フロントカメラ(自撮りに使う側)だと映るそうです。
続いて受光側の配線を行います。
受光側にフォトトランジスタがありますが、これは
足の短い方から長い方へ電流が流れます。
NJL7502Lの配線とは足の長短が逆なので注意。
足の短い側に5Vを接続します。
動作確認用にLEDを接続します。
LEDの足の長い側をフォトトランジスタの足の長い方へ接続し、LEDの足の短い側は電流制限抵抗(1kΩ)を介してGNDへ接続します。
電源を接続し、フォトリフレクタの上から指を近づけると確認用LEDが点灯することがわかります。
フォトトランジスタと違い、室内のライトを当てても反応しません。
これは室内のライトにはあまり赤外線が含まれていないからです。
テレビのリモコンをフォトリフレクタに向けて操作するとピカピカ反応します。
また、
太陽光を当てると強烈に反応します。これは太陽光に大量の赤外線が含まれているからです。
レーザーは当てても反応しません。
・マイコンと接続する確認用LEDを接続したままだとマイコン側がしっかり反応してくれないので、確認用LEDと電流制限抵抗(1kΩ)を取り外します。
続いて、確認用LEDが接続されていたフォトリフレクタの長い側の足を47kΩでプルダウンします。
後はフォトリフレクタの長い側の足をマイコンに接続すればマイコンで反応を読み取れます。
接続先はフォトトランジスタの場合と同様です。
データシートを見てみる
<ピン配置>
1:エミッタ(放出)足の短い方
2:コレクタ(回収)足の長い方
コレクタで回収した電気(正孔)をエミッタから放出します。
特性
C-E間電圧 VCEO 70V:順方向にこれ以上電圧をかけないでください。
E-C間電圧 VECO 10V:逆方向にこれ以上電圧をかけないでください。
光電流 IL 10mA:いっぱい光を当てるとこれぐらい電流を流せます。
暗電流 ID 0.1μA:真っ暗の時でもこれぐらい電流が流れます。
ピーク感度波長 λp 560nm:反応しやすい光の波長(色)です。
<回路設計>
5Vで使う分には特に壊れることは無いでしょう。
10mA以下で動作する装置やマイコン、トランジスタ等と組み合わせて使用します。
プルダウン抵抗を考えてみます。
明るいオフィスで400Lux程度らしいので、データシートのグラフ Photocurrent VS Illuminance を見てみると流せる電流は100μA程度であることがわかります。
100μA (0.1mA、0.0001)流れるときに抵抗の両端の電圧が5Vになるには
5V÷0.0001A=50000Ω → 50kΩ
室内灯に反応させるには47kΩとか使っておけば大丈夫でしょう。
もっと暗い場所50Luxで反応させたい時には抵抗値を上げ(470kΩ)、もっと明るい場所やレーザー3000Luxに反応させたい場合は抵抗値を下げます(4.7kΩ)
<ピン配置>
上から見て一ヵ所角が欠けている部分が基準になります。
1:アノード、LEDプラス側(足の長い方)
2:カソード、LEDマイナス側
3:エミッタ、放出(足の長い方)
4:コレクタ、回収
右上の回路図と左下のピン配置が一致していないのが気持ち悪い。
このピン配置は使用するフォトリフレクタの種類によって異なります。
<特性>
インプット(LED)・最大定格順方向電流 IF 60mA:LEDにこれ以上電流を流さないでください
逆電圧 VR 5V:逆向きにこれ以上電圧をかけないでください。
ピーク順方向電流 IFP 1A:一瞬10μ秒でもこれ以上電流を流さないでください。
・標準特性順方向電圧 VF 1.2~1.5V:LEDでの電圧降下(20mA流したとき)
アウトプット(フォトトランジスタ)・最大定格コレクタ電流 Ic 20mA:フォトトランジスタにこれ以上電流を流さないだください。
・標準特性光電流 Ic 0.2mA:LEDに20mA流しフォトトランジスタに5Vかけて反応させたときこれぐらい電流が流れます。
<回路設計>
・LED側赤外線LEDには20mA(0.02A)程度が流れるように
電流制限抵抗を選定します。
5V電源を使用する場合、
(5V-1.2V)÷(0.02A)=190Ω
190Ω以上→200Ω程度で良いでしょう。
50mA流れるように設計すると
(5V-1.2V)÷(0.05A)=76Ω
※LEDにいっぱい電気を流しても無駄に電力を消費するだけで感度は大して変わりません。
・フォトトランジスタ側とりあえず20mAを超えないようにするには
5V÷0.02A=250Ω
少なくとも250Ω以上である必要があります。
プルダウン抵抗を考えてみます。
0.2mA(0.0002)流れるときに抵抗の両端の電圧が5Vになるには
5V÷0.0002A=25000Ω → 25kΩ
実際にはもう少し小さい電流値になると思うので、33kΩとか47kΩとか使っておけば大丈夫でしょう。
マイコンへの入力は電流がほとんど必要ないので万が一の保護用に1kΩ程度をつけておくとなお良いです。
次回からこのセンサーを使って
ライントレースロボットを作っていきます。
1. 無題
それと、おかげさまで何とかPWM制御でラインをトレースする事が出来ました!
いよいよこのブログを見ればSH7125の事はほとんど完結する勢いですね!